(今更ながら…)
11月3日(土)、ノルウェーのブラックメタル・バンド、Gorgorothの来日公演 Tenebrae Solemnis vol.7 に行ってきた。
実際にショーが始まるまで本当にやってくれるのか心配だったけど、前日の東京公演も途中で中止になることもなく、つつがなく終了。
翌日の大阪公演も無事開催された。
始まる前からこういうことを心配をするバンドの公演も珍しい。
会場はメイン・アクトのGorgorothが始まる頃には7割弱くらい埋まっていただろうか。
週末(しかも祝日)の割に多くなかったかもしれないが、彼らの来日を待ち望んでいた熱いファンが多かったせいか、かなりの熱気に包まれていた。
まずはスペインはバルセロナ出身のブラック/ブラッケンデスメタル・バンドAtrexialが会場を温める。
まだアルバムを1枚リリースしたばかりの若いバンドで、今回の来日で初めて知ったのだけど、デスメタル風味のメロディアスなブラックメタルといったスタイルで、随所に散りばめられたプログレっぽいタッチがかなり魅力的。
家に帰って早速購入したアルバム “Souverain” は、この1週間毎日ヘビロテしているくらい今お気に入りになっている。
テクニカルでタイトなドラム、そして幾重にも積み重ねられた重厚なリフもまた聴きごたえあり。
この後、川嶋未来氏率いる日本のSighを経て、再度場内が暗転し、ショパンの葬送行進曲に乗せて、いよいよGorgorothが登場する。
バンドのファウンダーにして現在唯一のオリジナル・メンバー、あのInfernusが目の前でギターを弾き始めた瞬間、思わず口をぽかーんと開けたまま「わぁ、本物だ…」と心の中でつぶやいた人が、あの日あの場に一体何人いただろう。
セットリストは直近のラテンアメリカ・ツアーとほぼ同じで、まずは2ndアルバム “Antichrist” から “Bergtrollets Hevn” でスタート。
この後、8thアルバム "Quantos possunt ad Satanitatem trahunt" から "Aneuthanasia" "Prayer" ときて、お待ちかねの “Revelation of Doom”、イントロのトレモロリフが聞こえてきただけで泣きそうになった “Ødeleggelse og Undergang" ”Blood Stains the Circle” へと繋いでいく。
個人的にはこの流れが今回前半のハイライトだった。
そして後半の ”Destroyer” から “Krig” で昇天。最後は “Unchain My Heart!!!” でフィナーレ!
その間、最初から最後まで休む間もなく、途中余韻に浸る余裕も与えず、まるで真冬の嵐のように一気に駆け抜けていった。
終演後しばらくの間、拍手が鳴り止まなかったけど、残念ながらというか予想どおりというか、アンコールも無し。
そんな素っ気なさもGorgorothらしくてカッコよかった。
ただフロントマンがHoestだと、どうしてもTaake風になってしまうのはご愛嬌。
まあ、それだけTaakeでの彼のパフォーマンスの完成度が高いからなのかもしれないけど。
余談だけれど今回のHoestさんはサポート・メンバーということもあってか、Taakeの時とは比べ物にならないくらいシャキッとしていた。
パフォーマンス中恒例の、赤ワインラッパ飲みも今回はちゃんとコップに注いで飲んでたしw
ちなみにその他のメンバーとして、今回来日するはずだったTaakeのギタリストの1人AindiachaíことAdamは、ラテンアメリカ・ツアーメンバーのFábioに変更になっていた。
ベーシストはFrancesco、ドラムは元Keep of Kalessinの凄腕ドラマーVylかと思いきや、別人だった模様。
もっと若い。Vylより細身。しかもイケメン。どなたかしら?
というわけで、ラインナップは先に公開された上の画像に近いかも。
最後に、今回はバンド側からの要請ということで(EVP主催にしては珍しく)事前に再三「撮影禁止」「サーフ禁止」「モッシュ禁止」(モッシュに関しては不可ではなかったらしい)のアナウンスがあった。
それだけバンドが自身の世界観を大事にしているということで、彼らのショーではお約束なのかもしれないけど、YouTubeに上がっているラテンアメリカ・ツアーの動画を見ると、オーディエンスの多くが普通に撮影しまくり、中にはサーフからそのままステージに上がってスタッフに突き落とされている人もいてびっくり。
(そもそも客が撮影した動画が上がっていること自体アレなわけで)
もしかして私たち試されたのか?w
まあ、それはそれで、暴れる連中に邪魔されることなくライヴを楽しめたのでよかったけど。
公演終了後、EVP代表のYamaさんによると、御大Infernusが「また来るから2年後くらいに電話してくれ」とおっしゃっていたのだとか。
どうやら日本のオーディエンスは彼のテストに合格したのかもしれない。
セットリストは以下のとおり。
当日入手されたこのセトリを、ご親切にもコピーしてくださった方、ありがとうございました。