8月31日(金)、Evoken Fest 2018@大阪に行ってきた。
車を会場近くの駐車場に止めて、さて現場に向かおうと思ったら目の前にごっついメタラーさんたちの一群が。
しかも内一人は背中に大きくX Japanのロゴ、正面には髪が長い頃のHIDEのイラストがプリントされたTシャツを着用していらっしゃる。
どなたかと思ったらCivil Warのドラマーさんだったようで、たまたま一緒になったエレベーター内でTシャツをネタに話ができて、本番が始まる前から一気に気分が上がった。
さて肝心の会場はというと、私が到着したのは(OAを除く)一番手のVoyagerの登場に合わせて3時ちょっと前くらいだったのだけど、控えめに言ってガラガラ。
まあ、仕方ないよね、月末の平日、しかも真昼間だし。
■Voyager
まずはほぼ定刻通りにオーストラリアはパース出身のプログパワーメタル・バンド、Voyagerでスタート。
今回のEvoken Festへの出演が決まるまで全く知らなかったバンドだけど、Pagan's Mindを彷彿とさせるメロディアスでテクニカルなプログパワーで、かなり上手い。
事前に音源を聴いた時点で私好みなのは分かっていたけど、パフォーマンスも音源同様きっちりキメてくれて、期待どおりのバンドですっかりご満悦。
フロントマンも日本語で煽ったりして会場のハートをがっつりキャッチしていたし(長い文章は喋ってなかったけど、彼はかなり出来ると見た)、今回のフェス紅一点のギタリスト、Ashley姐さんもなかなかの男前。
今回の来日をきっかけに日本での認知度が少しでも上がるといいのだけど。
■Darktribe
次はフランスはニース出身のメロディック・パワーメタル・バンド、Darktribeの登場。
キラキラしたキャッチーなメロディが魅力の彼ら、ハイトーン美声のヴォーカリストはCDの音源ですか?というくらい安定感半端ない。
その彼がステージ上でやたら元気よく煽りまくり、動き回る。
しかも顔芸付きw
その落ち着きのなさがどことなくBruce Dickinsonみたいで、なんかもうそれだけですっかりウケてしまった。
見た目はちょっと地味だけど、クサメタラーのハートをがっつりキャッチするメロディといい疾走感といい、これは結構ポイント高い。
今後要チェックのバンドかも。
■Cryonic Temple
3番手は、Evoken Festのクラウドファンディング成功により、大阪公演への出演が決定したCryonic Temple。
どちらかというとVhäldemarかDragonlandの追加を期待していたのだけど、こちらははこちらで悪くない。
まずは新譜から、リリック・ビデオを公開しているキャッチーな “End of Days” でスタートすると、会場の熱気は急上昇、、、かと思いきや、フロントマンは米軍の人みたいな短髪下げパンのお兄ちゃんだし、下手ギタリストはなんかもうファンキー末吉さんみたいなおっちゃんだし(ヘアバンドがチャームポイント/よく見ると全然似てない)見た目の地味さはDarktribe以上w
曲も悪くないし、いかにもスウェーデンらしいいいバンドだと思うのだけど、どこかもっさりしていてあまり印象に残ってないのが正直なところ。
■Derdian
いよいよ皆さまお待ちかねのDerdianが登場すると、会場は今日一番の盛り上がりに。
日本愛に溢れたシングル曲 “Red And White” もさることながら、新譜 “DNA”(日本盤)に封入されたライナーノーツであんな熱い想いを語られたら、そりゃ応援したくもなるわよね。
というわけでその新譜からタイトル曲の “DNA” を、フロントマンのIvanがステージに倒れ込んでいる状態で歌い始めるという演出でスタート。
なんかもういきなりアルバムの世界観に浸っている。
セトリは新譜からの曲を中心に全7曲とやや物足りなさは否めないものの、やってくれたら嬉しいと誰もがみんな思っていた “Never Born” の日本語ヴァージョンも披露。
「ちょっと自信ないけど」と言いつつ、日本語の歌詞を完璧に歌い上げたIvanすごい!
もちろん会場の熱気は更に上昇し、場内一同大合唱になったのはいうまでもない。
それはそうと終盤、そのIvanがTシャツを脱ぎ捨てるやいなや、周囲の女子全員が一斉にカメラを向けたのには思わず大笑い。
そりゃ、あれだけマッチョなイケメンが脱いだら撮りたくもなるわよね。
■Civil War
そしていよいよ後半戦は、戦うメタルバンドSabatonのDNAを受け継ぐCivil Warが “USS Monitor” でスタート。
Derdian目当ての人が多かったのか、オーディエンスの数が一気に少なくなってしまったのはちょっと寂しかったけど、硬派でメロディアスなサウンドはもちろん、お揃いの衣装やステージングなど、エンターテイメント性もあってかなり楽しかった。
Nils Patrik Johanssonに変わって新しく加入したヴォーカリストのKellyもなかなかどうして堂々としたものだし(むしろ好み)それより何より、満面の笑みでものすごいパワフルなドラミングを披露していたDanielのインパクトが強烈だった。
見ているこちらが思わず引き込まれるこのノリはやはりSabaton仕込み。
HIDEのTシャツ着用を含めて、もしかしたらこの日のMVPだったかも。
そして、“Tombstone” はやっぱりクセになる名曲だ。
何度聴いてもこれは楽しい。ぴよっぴよっぴよっ♪
■Orden Ogan
ヨーロッパでの人気に比べて、日本でのそれは今一歩出遅れている感が否めない彼らだけど、堂々たるステージはさすが、それまでのバンドに比べるとやはり一線を画している。
サウンドもその日一番抜けがよかったし、バランスも良かった。
またステージには大きなバックドロップに加えてセットもあって華やかだったしね。
セットリストは昨年リリースされた新譜 “Gunmen” からの曲がメインかと思いきや、初来日ということもあってか、新旧取り混ぜた代表曲というラインナップ。
これが楽しくないわけがない。
ひとつだけ残念だったのは、曲数が予想以上に少なかったこと。
出演バンド数が多いので、1組あたりの持ち時間が長くないのは覚悟してたけど、それにしても短かすぎる。
後で聞いたところによると、Civil Warまでで時間が押してしまったため、1曲削ってくれと運営側から言われたとのこと。
うーん、残念。
次回はぜひフルセットで観たいなぁ。
余談だけど、ミュージックビデオで見ることができる彼らの姿は、ゾンビ仕様とかごっついメイクで、どんな素顔なのかこれまで気に留めたことがなかったのだけど、意外にも(失礼!)イケメン揃いでびっくり。
特に終始笑顔でギターを弾いていたTobiとNielsコンビに悩殺されたメタラー女子は多かったんじゃないだろうか。
ちなみに当日、フロントマンのSebastian (Gt/Vo)が指を怪我してギターが弾けなかったため、ベーシストのNielsが代わりに彼のギター・パートを担当し、ベースは同期音源だった模様。
全く問題なかったけど。
■Nocturnal Rites
「私の集中力は4時間が限界」なのはPagan Metal HordeやSuomi Feastのレポでも書いたとおりなのだけど、4時間どころかこの時点でスタートから既に6時間以上が経過しており、当然のことながら集中力のみならず体力もほぼ限界に。
残りわずかだったそれも、予想以上に楽しかったOrden Oganで使い果たしてしまったため、Nocturnal Ritesは名曲 “Afterlife” 以外ほとんど覚えてないという始末。
まともな写真さえ一枚もない。
彼らは以前から好きなバンドで、今回のラインナップの中では一番楽しみだったのに。
まあ、こちらはヘッドライナーということもあってレポ書いている方も大勢いらっしゃるだろうから、詳しくはその方々にお任せするということで(適当)印象に残っている余談だけ。
転換の間にヴォーカリストのJonnyさんが暗幕をチラッと開けて、いたずらっ子みたいな笑顔で最前列のファンにセトリを投げてきたりしてなかなかお茶目だった。
最前列のバーの向こう(ステージ側)に落ちてしまったので誰も拾えなかったけど。惜しい!
それと、上手でヘッドレス・ギターを弾いてたギタリストがえらいバカテクで、なんかMeshuggahの人みたいだなぁと思ったら、本当にそうだった。
昨年のLOUD PARKにもヘルプ・メンバーで来日していたとのこと。
(おっ、見てたわ)
どおりですごいワケだ。
というわけで、トータルで7時間以上、最後は「なんの苦行かよ」と思うくらい疲れたけど、すごく心地よい疲れで楽しかった。
Evokenさん、来年もぜひお願いします!
って、これ書くのも疲れた...