CDなどフィジカルな媒体やDLに代わって、現在(日本を除く)世界中で大きなシェアを占めるSpotifyやApple Musicなどの音楽配信サービス。
そのストリーミング・サービス各社が一体アーティストにいくら支払っているのか調査した結果を
Digital Music Newsが公開した。
対象はNapster、YouTube、Pandora、Apple Music、TIDAL、Google Play、Deezer、Spotifyの計8社。
それぞれ1再生あたりアーティストに支払われる額と、ユーザー総数を一覧にしたものなのだけど、意外にも1位は過去に数多くの著作権侵害問題などで問題になったNapsterの0.0167ドル。
ただしSpotifyなどに比べるとユーザー数が圧倒的に少ないので、残念ながらそれほど大きな数字にならない。
逆にYouTubeは単価が桁違いに安いものの、10億人というとんでもない数の視聴者がいるため、人気アーティストであればかなりの額になる。
例えばMetallicaを例にとると、Spotifyで最も再生回数が多い “Enter Sandman” の8月14日現在の再生回数は約1億6600万回なので、この1曲だけでこれまでの収益は約63万ドル(約6900万円)になる。
一方YouTubeの場合、同曲のオフィシャル・ミュージックビデオの視聴回数は約1億6360万回なので、単純計算するとこの動画1本で約9万8000ドル(約1074万円)ということになる。
とまあ、これだけ見ると大きな数字だけど、ここまで稼げるのはごく一部のアーティストのみ。
それ以外の、特にインディーズ系のアーティストともなると、状況はかなり厳しいようだ。
以前シンガーソングライターのスガシカオが「DLだと制作費が全部赤字。CDを買ってほしい」というツイートをして話題になったことがあったが(詳しくは
こちら)DL販売ですらこういう状況なのだから、ストリーミングとなればそれより更に少ないことは容易に想像できる。
クオリティは高いけど、売り上げにはあまり反映されないようなアーティストらにとっては「CD買ってが」がやはり本音なのかもしれない。
とりあえず私個人の方針としては、配信サービスはあくまでも試聴用ってことで、気に入った作品はこれまでどおりCDもしくはDLで買うつもり。
それだけでもかなり節約になるしねw
で、肝心の今回公開されたデータのまとめがこちら。
(1再生あたりアーティストに支払われる金額 / ユーザー総数)
1. Napster – $0.0167 per stream / 5 million users
(1.83円 / 500万人)
2. Tidal – $0.0110 per stream / 4 million users
(1.21円 / 400万人)
3. Apple Music – $0.0064 per stream / 27 million users
(0.7円 / 2700万人)
4. Google Play Music – $0.0059 per stream / 10 million users
(0.65円 / 1000万人)
5. Deezer – $0.0056 per stream / 16 million users
(0.61円 / 1600万人)
6. Spotify – $0.0038 per stream / 140 million users
(0.42円 / 1億4000万人)
7. Pandora – $0.0011 per stream / 81 million users
(0.12円 / 8100万人)
8. YouTube – $0.0006 per stream / 1 billion users
(0.07円 / 10億人)
はい、これで0.07円なり。